[てんかん(Epilepsy)と痙攣発作]
てんかん(Epilepsy)と痙攣発作
てんかん(Epilepsy)は、突発的なてんかん発作を主要な症状とする神経疾患(脳機能障害)であり、先天的・器質的な要因(脳の神経学的な情報伝達障害)によって発症する。脳の神経細胞(ニューロン)のニューラルネットワークの一部で、『過剰な興奮』が起こるという電気的伝達の異常(インパルスの過剰放電)によって、様々な強度・持続時間のてんかん発作が発生するのである。てんかんは人類の草創期から存在していた疾患と推測されており、古代ギリシア・ローマ時代のソクラテスやユリウス・カエサルもてんかん発作(小発作)を起こしていたのではないかという記録が残っている。
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WHOのICD−10によるてんかんの定義は『種々の病因によってもたらされる慢性の脳疾患であり、大脳ニューロンの過剰な放電から由来する反復性の発作(てんかん発作)を主徴とし、それに変異に富んだ臨床ならびに検査所見の表出が伴う』とされており、脳炎や外傷による一過性で反復しない痙攣(けいれん)はてんかんには含まれない。てんかん発作の主な症状には、『痙攣(けいれん)』と『意識障害(意識レベルの低下・失神・記憶の部分的欠損)』がある。痙攣の不随意運動では、筋肉がガチガチに緊張する『強直性』のものと、断続的に痙攣を繰り返す『間代性』のものとがある。
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大半のてんかん発作は一過性のもので、数分〜十数分程度で回復することが多く、生命に危険があるような発作は例外的である。但し、強直性の激しい大発作を断続的に何度も繰り返す『重積発作』の場合には、生命の危険もでてくるので専門医の救急医療・応急対処が求められることもある。脳内の異常発火の広がりによって、『全般発作』と『部分発作(局在関連性発作)』の2つに分類されるが、全般発作は更に『大発作・小発作・ミオクローヌス発作』に分けられる。
強直間代発作(大発作)……前兆はなく突然発症する激しい発作で、失神など意識障害及び全身性の間代性痙攣・筋肉の強直が起こる。
欠神発作(小発作)……前兆のない発作であり、意識状態が短時間途切れてしまう。ぼんやりと一点を見つめていたり、動かずに素早くまばたきをするだけになったり、自分の意志や感情を十分に認識することができなくなる。
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ミオクローヌス発作……肝障害や尿毒症、クロイツフェルトヤコブ病と合併する筋肉の不随意運動の発作である。短時間、自分の意思とは無関係に筋肉がぎゅっと収縮するようになる。
大脳皮質の全体が異常興奮する『全般発作』に対して、脳の一部が異常興奮する発作のことを『部分発作(局在関連性発作)』といい、部分発作には以下の2つがある。
単純部分発作……意識障害を伴わない、部分的な症状を伴う発作である。運動野が異常発火すれば不随意運動、感覚野ならば感覚障害、視覚野ならば閃光の異常知覚などが起こってくる。ジャクソン行進といって手足の震顫が悪化していく症状も見られる。
複雑部分発作……側頭葉てんかんに代表される意識障害を伴う部分的な発作である。現実感覚の鈍麻・喪失や意識的行動の中断(ぼーっとした精神状態)、不随意運動としての自動症などの症状が見られる。記憶障害、知覚異常、言語障害、不安感の高まりなど、発作の前の前兆を伴うことが多いとされている。
てんかんの医学的治療は、対症療法としてテグレトールやデパケンR(バルプロ酸)など『抗てんかん薬』を用いた薬物療法が第一選択となっているが、難治性てんかんで大発作による死亡リスクがあるようなケースでは、過剰興奮を起こす脳皮質を部分的に切除する『外科的手術』が実施されることもある。
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